三隅高城跡(読み)みすみたかじようあと

日本歴史地名大系 「三隅高城跡」の解説

三隅高城跡
みすみたかじようあと

[現在地名]三隅町芦谷

高城たかじよう(三六二・一メートル)に築かれた中世の山城。三角とも記され、単に三隅城・高城とも称される。寛喜元年(一二二九)益田兼高の次男兼信が分家して三隅氏を称した際に築かれたと伝える(三隅町誌)。高城山山頂には中丸・東丸・西丸の本塁跡が残る。南東面の井野いの側が大手口で、山腹部に大手門・番所・軍用井・殿釣井・御殿場・武家邸の跡などとされる遺構があり、東丸への登城道が通じる。また西丸の西方台地上には的場跡がある。北西面三隅市街地側が搦手口で、馬触うまぶれ坂を隔てた台地上には出城かね今城いまじようの砦跡がある。これらの遺構は数期にわたって構築されたものと考えられる。第一の画期は南北朝期で、石見国の南朝勢力の拠点として激戦の舞台となった。三隅氏は井村家、次いで黒沢家・鳥屋尾家を分家させ、当城周辺の城に配置し、さらに勢力圏の境界にも大多和外おおたわげ城・矢原やばら城・古和こわ城、木束きつか(現弥栄村)などを築き、一族・重臣を配した(同書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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