上声(読み)ジョウショウ

デジタル大辞泉 「上声」の意味・読み・例文・類語

じょう‐しょう〔ジヤウシヤウ〕【上声】

漢字四声しせいの一。尻上がりに高く発音するもの。じょうせい。
日本漢字音や国語アクセントの声調で、高く平らに発音するもの。

じょう‐せい〔ジヤウ‐〕【上声】

じょうしょう(上声)1

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「上声」の意味・読み・例文・類語

じょう‐しょうジャウシャウ【上声】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 漢字の四声(しせい)の一つ。しりあがりに高く発音するもの。じょうせい。じょう。
    1. [初出の実例]「譜曰、平声哀而安、上声励而挙、去声清而遠、入声直而促」(出典:韻鏡開奩(1627)六)
    2. [その他の文献]〔広韻〕
  3. 日本で、中国における漢字の四声に基づいて、漢字音や日本語の声調のうち、高い平らな調子に名づけた名称。
    1. [初出の実例]「南方上声 常上尚𣏐」(出典:文鏡秘府論(809‐820頃)天)
    2. 「冬されのさをば上声にすみていひ」(出典:名語記(1275)六)

上声の補助注記

( 1 )調値については、中国においては、時代・地方により種々のものがあったらしく、日本でも、「悉曇蔵‐五」によれば、平安時代初期には、四声を日本へ持って来た学者によりいろいろ異なっていた。平安末期、明覚が整理をした結果、始めから終わりまで上った調子をさすとした。これは明覚によれば上声の軽であり、上声の重は去声と一致するということになり、結果的には上声は一つの調値しかないことになった。
( 2 )上声を示すのには、漢字の左上角に点を打ったが、特に上声の重を示すためには、そのやや右方に点を打つこともあった。


うわ‐ごえうはごゑ【上声】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 高い音域の声。頭声(とうせい)
    1. [初出の実例]「大般若上(うハ)声は皆小僧達」(出典俳諧新身(1705))
  3. うわずった声。
    1. [初出の実例]「その死ぬ、死ぬを上声で言はして、お礼が聞きたいのだ」(出典:歌舞伎・月缼皿恋路宵闇(1865)四幕)

じょう‐せいジャウ‥【上声】

  1. 〘 名詞 〙
  2. じょうしょう(上声)
  3. いくつかの声部が重なる合唱で、高い方の声部。四声におけるソプラノなど。

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世界大百科事典(旧版)内の上声の言及

【四声】より

…中国語において,平声,上声,去声,入声の四つの声調をいう。声調toneは,本来,音節全体にかかる高低の対立であるが,常に高低の問題として考察されたわけではない。…

※「上声」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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