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声調 せいちょうtone

翻訳|tone

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

声調
せいちょう
tone

音節における声の高さの変動。音節音調ともいう。「高さアクセント」は,ひとつひとつの音節ではなく,単語(結合)に該当する音声連続に現れる点で声調とは異なる。声調は国際音声字母では次のような記号で表す。高平調[-],低平調[-],高昇調[´],低昇調[´],高降調[`],低降調[],昇降調[^],降昇調[ˇ]。また,5段階などの段階を設け,1(最低)~5(最高)の数字で 55(高平),35(高昇)などとしたり,基準棒を用いて左側にそれぞれ ˥,(右側のときは)などと表したりする。声調が社会習慣的に一定しており,弁別的な体系をなしている言語は「声調素」tonemeをもつといい,そういう言語を声調言語という。この声調素のことを単に声調ということもある。現代北京語は通例次の四つの声調素(四声)をもつとされる。/mā/=[mā](媽〈母〉),/má/=[má](麻),/mǎ/=[mǎ](馬),/mà/=[mà](罵〈ののしる〉)。

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デジタル大辞泉の解説

せい‐ちょう〔‐テウ〕【声調】

話したり歌ったりするときの声の調子。
詩歌などの調子。
中国語の四声のように、音節の中での高低昇降の変化で語義を区別する機能を有するもの。広義では、高さアクセントを含む。

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世界大百科事典 第2版の解説

せいちょう【声調 shēng diào】

英語ではtone。声調とは,本来,音節全体にかかる高低の対立,すなわち音節音調であるが,中国では伝統的に‐p,‐t,‐kなどのような内破音に終わる音節構成をも〈入声(につしよう)〉として,声調の一タイプと考える。このさい高低の対立は相対的なものであって,低い方より順に1,2,3,4,5で示せば,〈普通話〉(現代中国共通語で,北京語の音韻体系にもとづく)の四声は,第1声(陰平声)が55(5の高さにはじまり,5の高さに終わる)の高平調,第2声(陽平声)が35(3の高さにはじまり,5の高さに終わる)の高昇調,第3声(上声)が214(2の高さから1の高さに下降してから,4の高さに上昇する)の降昇調,第4声(去声)が51(5の高さから1の高さに急降下する)の高降調である(図1)。

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大辞林 第三版の解説

せいちょう【声調】

ふしまわし。
音節の構成要素である高低昇降のアクセント。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

声調
せいちょう

歌論用語。調べ。短歌の韻律形式やことばの響き、情緒などを含む情意の流れを総合的にとらえたもの。単に音楽的なものでなく、形式と内容との関連から生まれる調子、音調をいう。歌の調べは情意のおのずからなる表出であり、これをもっとも重視したのは香川景樹(かがわかげき)で、調べは自然の「誠(まこと)」の現れであるといい、和歌の本質をなすものとした。近代では伊藤左千夫(さちお)が「言語の声化」を唱え、感動の動きから出た声調を尊重、そこに個性の現れを認めた。斎藤茂吉(もきち)も歌調を「自己(アイゲン)の声」とし、「短歌声調論」(1932)でこれを詳細に論じている。調べはもと音楽用語から出ており、今日では声調の語を用いることが多い。[本林勝夫]

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世界大百科事典内の声調の言及

【音声学】より

…日本語では,橋[haʃi]と箸[ha̚ʃi]のように高さアクセントの位置の違いが語の意味を区別する。高さアクセントの変動が音節と結びつくとき声調toneとなる。タイ語には,高[mái]〈木〉,中[mai]〈マイル〉,低[mài]〈新しい〉と3段の高さがあり,さらに上昇[mǎi]〈蚕〉と下降[mâi]〈燃える〉の別がある。…

【口承文芸】より

… 口承伝承の形式は,それを演じる人々が話している言語のしくみと,ときには密接な関係をもっている。アフリカの言語の多くは,すべての単語が高音,中音,低音などの一定の音調(トーン)に支配されている〈音調言語〉であり,それは中国語(北京語)のように音調(声調)によりただ単語の意味が異なるというのではなくて,たとえば動詞の現在形・過去形・未来形のような文法変化もが音調により示される〈文法的音調言語〉である。この性質は,口承伝承にも強く反映していて,なぞなぞでも日本に見られるような種類のほかにも,早口なぞなぞ,音調合せなぞなぞといったものが,とくに西アフリカには多く見いだせる。…

【シナ・チベット語族】より

…また豊富な複合子音をもつ言語もある。チベット語アムド方言のように声調がない言語もあるが,シナ・タイ語系の言語は多種類の声調対立を示し,チベット・ビルマ系の言語もほとんどが声調言語である(ただ声調の数は少ない)。(2)シナ・タイ語派の語順は,主語―動詞―目的語(私―打つ―彼)であるが,チベット・ビルマ語派では,主語―目的語―動詞の順(私(が)―彼(を)―打つ)に並べられ,特定の格助詞が使われる。…

【タイ語】より

…ただし国は国語統一政策を着々と進めている。 音韻上は単音節を根幹とし,〈母音だけ〉〈母音+子音〉〈子音+母音〉および〈子音+母音+子音〉の型があり,これに声調が加わる。なお外来語の影響による複音節語も少なくない。…

【チベット語】より

…1950年代以降,中国のチベット解放に起因する政治・社会情勢の変化に対応し,中国,インド,ブータンにおいて,口語の発音に基づく正書法の一部修正,口語文法の導入,単語の新造により現代文語が成立しつつあるが,文語と口語との差異は,方言によりその程度は異なるとはいえ,かなり大きく,とくに,前出のいくつかの地名等も示すように,単語のつづり字と発音との差異は著しい。
[特徴]
 9世紀から現代まで,口語の変遷に関係なく,ほとんど根本的な修正を受けずに伝承されてきたチベット文語のつづり字には,文字が作られた7世紀のチベット語の音韻構造を反映して,音節の頭に2~4個の,音節の末尾に2個の,子音群を表す子音の結合が書かれることがあるが,中央部方言,東南部方言,南部方言ではほとんど子音群が消え,そのかわりに声調が発達した。たとえば,中央部方言に属し,最も標準的な口語とみなされるラサ方言の音節構造は,CV(C=子音音素,V=母音音素),CVV(VVは同じ母音音素の連続),CVCの3種類,CVには高平[],低昇り[’]の2型,CVV,CVCにはそのほかに高降り[`],低昇り降り[^]の2型が加わって4型の声調,2音節の単語では同様の4型の単語高さアクセントが認められる。…

【中国語】より

…その音節は(C)(M)V(C/V)/Tと表示できる。Cは子音,Mは‐i‐,‐u‐,‐ü‐,以上三つの半母音のいずれか,Vは母音であり,Tはこうして作られる音節の全体について,その始点から終点に至る間,いちいちの時点における音の高さやその量等の指定である〈声調〉で,中国語は原則としてすべての音節が,その音節の担うべき機能に対応した声調をもつ〈声調言語〉でもある。(C)(M)V(C/V)/Tのうち括弧をつけたものは,その要素のない音節があり得ることを示すが,たとえそれらの要素を欠いても,それによってその音節がそれだけ短くなるのではなく,それらの要素のすべてを備えたものも,ただひとつVだけの構造のものも,相互に同じ音量と意識されるのが普通で,それがこの国の美文学に〈五言詩〉〈七言詩〉あるいは〈四六駢儷(しろくべんれい)体〉など,字数を基礎とする詩文の体をはじめさせた理由となっている。…

【文字】より

…たとえば,日本語や英語の表記法などは高低あるいは強弱のアクセントを記していない。声調toneが重要な役割をしているタイ語やベトナム語などの表記法ではその区別が書き表されているが,それでも文に加わるイントネーションや強調などのすべてが表記されることはない。 また,音声言語行動と文字言語行動とではその成立する場面に大きなちがいがある。…

※「声調」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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