明覚(読み)ミョウガク

デジタル大辞泉 「明覚」の意味・読み・例文・類語

みょうがく〔ミヤウガク〕【明覚】

[1056~?]平安後期天台宗の僧。加賀温泉寺に住し、悉曇しったん・国語音韻などの研究にすぐれた業績を残した。著「悉曇大底」「梵字形音義ぼんじぎょうおんぎ」「悉曇要訣しったんようけつ」など。めいかく。

めいかく【明覚】

みょうがく(明覚)

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精選版 日本国語大辞典 「明覚」の意味・読み・例文・類語

みょうがくミャウガク【明覚】

  1. 平安中・後期の天台宗の僧、悉曇(梵語学者。若い頃は叡山にいたらしいが、中年以後加賀の温泉寺(石川県加賀市山代温泉薬王院)に居住和臭の強い日本悉曇学を樹立した。著に「悉曇大底」「反音作法」「梵字形音義」「悉曇要訣」など。天喜四~嘉承元年(一〇五六‐一一〇六

めい‐かく【明覚】

  1. 〘 名詞 〙 はっきりさとること。
    1. [初出の実例]「明覚の際には誰あって外界を忘るるものはなからう」(出典:草枕(1906)〈夏目漱石〉三)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「明覚」の意味・わかりやすい解説

明覚
めいかく
(1056―?)

平安末期の天台宗学僧。音韻学・悉曇(しったん)学の研究者。「みょうがく」ともいう。温泉房あるいは唯心(ゆいしん)房と号す。若年比叡(ひえい)山で研学を積み、後年加賀国(石川県)温泉寺に住して数多くの著作を残し、後世に大きな影響を与えた。『反音作法』『梵字(ぼんじ)形音義』『悉曇要訣(ようけつ)』『悉曇大抵』『悉曇秘』などが代表著作であるが、ほかに平安時代の呉音研究に重要な意味をもつ『九条家本法華経(ほっけきょう)音』も彼の原撰(げんせん)である可能性が強い。その学問の特徴は五十音図基調にして字音・悉曇を考究した点にあるといえる。

[沼本克明 2018年10月19日]

『馬渕和夫著『日本韻学史の研究』全3巻(1962~1965・日本学術振興会/増訂版・1984・臨川書店)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「明覚」の解説

明覚 みょうかく

1056-? 平安時代後期の僧,音韻学者。
天喜(てんぎ)4年生まれ。天台宗。延暦(えんりゃく)寺でまなび,のち加賀(石川県)の温泉寺に隠棲(いんせい)して加州隠者と称した。悉曇(しったん)(梵字(ぼんじ))の発音,字義を研究しておおくの著作をのこし,後世の音韻学に影響をあたえた。号は温泉房。著作に「反音作法」「悉曇要訣」など。

明覚 めいかく

みょうかく

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「明覚」の意味・わかりやすい解説

明覚
めいかく

平安時代の天台宗僧。悉曇 (しったん) 学者。五大院安然の学徳を慕って隔世の弟子と称した。加賀の温泉寺に隠棲して悉曇に関する著作を著わした。主著『悉曇要決』『梵字形音義』『注大仏頂陀羅尼』。

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普及版 字通 「明覚」の読み・字形・画数・意味

【明覚】めいかく

はっきり悟る。

字通「明」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の明覚の言及

【悉曇要訣】より

…平安時代の僧,明覚(みようがく)の著。4巻。…

※「明覚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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