上掛り(読み)カミガカリ

デジタル大辞泉 「上掛り」の意味・読み・例文・類語

かみ‐がかり【上掛(か)り】

能のシテ方五流うち観世かんぜ流・宝生ほうしょう流をいう。発生当時、下掛しもがかりの奈良に対して京都本拠を置いたからというが、定説がない。京掛かり。→下掛しもがかり

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百科事典マイペディア 「上掛り」の意味・わかりやすい解説

上掛り【かみがかり】

能楽用語。上懸りとも書く。観世流宝生流をさす。下(しも)掛りの対。

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世界大百科事典(旧版)内の上掛りの言及

【能】より

…現在では流派の組合せにはまったく制約がない。シテ方5流のうち,観世,宝生2流は芸系が近く,能本の詞章や謡の曲節に共通点が多いので,〈上掛り(かみがかり)〉と総称され,同様に金春,金剛,喜多3流は〈下掛り(しもがかり)〉と総称される。ワキ方では進藤(廃絶)・福王2流が上掛り,春藤(廃絶)・宝生・高安(たかやす)(高安流)の3流が下掛りに属するので,ワキ方宝生流をとくに下掛り宝生流と称することがある。…

【宝生流】より

…?‐1572か85)は観世宗節の実弟で宝生家を継ぎ,小宝生といわれた名手。なお,重勝の子元盛が観世宗節の養嗣子となって観世大夫を継ぐなど,観世とは室町時代から縁戚関係にあり芸系も近く,両家の芸統や芸風を上掛り(かみがかり)と呼ぶ。6世勝吉(1558‐1630)は金剛から養子に入っている。…

※「上掛り」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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