慶長見聞集(読み)けいちょうけんもんしゅう

精選版 日本国語大辞典 「慶長見聞集」の意味・読み・例文・類語

けいちょうけんもんしゅうケイチャウケンモンシフ【慶長見聞集】

  1. 一〇巻一〇冊。三浦浄心著。慶長一九年(一六一四成立書名は正しくは「見聞集」。近世初期の新興都市、江戸の見聞記。説話教訓なども含まれる。この時期風俗資料として貴重。

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日本歴史地名大系 「慶長見聞集」の解説

慶長見聞集
けいちようけんもんしゆう

一〇巻五冊

別称 江戸物語・見聞集・三浦見聞集 三浦浄心(茂信)

成立 慶長一九年奥書

写本 国立国会図書館・国立公文書館内閣文庫

解説 小田原北条氏合戦に関する記事歌舞伎など江戸の風俗などが記されている。これにより近世初頭の江戸の様子を知ることができる。

活字本 江戸叢書二・改定史籍集覧一〇・袖珍名著文庫・続国民文庫雑史集、古典研究昭和一四の四別冊付録・昭和一五の三別冊付録

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改訂新版 世界大百科事典 「慶長見聞集」の意味・わかりやすい解説

慶長見聞集 (けいちょうけんもんしゅう)

江戸初期の見聞記。三浦浄心作。1614年(慶長19)刊。10巻。浄心は北条氏に仕えた武士であったが,江戸に出て商人になった。北条氏のこと,合戦のこと,江戸の風俗,諸国一見のことなどを書き,のちこれを分冊して《北条五代記》《見聞軍抄》《そぞろ物語》《順礼物語》として刊行した。江戸初期の貴重な記録といえる。とくに《そぞろ物語》には,慶長期の江戸の歌舞伎や吉原のことが書かれている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「慶長見聞集」の意味・わかりやすい解説

慶長見聞集
けいちょうけんもんしゅう

近世初期の随筆書。単に『見聞集』ともいう。10巻。著者は、後北条氏の遺臣、三浦五郎左衛門茂正(しげまさ)(浄心(じょうしん))で、1614年(慶長19)の成立とされるが、後人の仮託とする説もあり、寛永(かんえい)期(1624~44)の内容も含むので、確証は得られない。徳川家康入国から草創期にかけての江戸の町形成と、住民の生活・人情、世相と風俗などが多くみられ、間接史料ながら事実と合致する点もあり、まったく良史料ではないということはできない。『江戸叢書(そうしょ) 2』『改定史籍集覧 10』所収。

[水江漣子]

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旺文社日本史事典 三訂版 「慶長見聞集」の解説

慶長見聞集
けいちょうけんもんしゅう

江戸初期の随筆集
『見聞集』ともいう。1614年の著作。10巻。北条氏政の家臣三浦浄心が見聞した江戸の雑事・人情風俗を記す。浄心に仮託した後世の作という説もある。

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