上海コミュニケ（読み）シャンハイコミュニケ（英語表記）Shanghai Communiqué

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

上海コミュニケ
シャンハイコミュニケ
Shanghai Communiqué

1972年2月 27日上海で発表された米中両国の共同コミュニケ。米中共同声明あるいは米中共同コミュニケとも呼ばれる。 70年後半頃からアメリカの R.ニクソン大統領の中国訪問のための内密の交渉が進められ，71年7月9～11日 H.キッシンジャー大統領補佐官が秘密裏に北京を訪問し，その結果7月 15日にニクソン訪中について合意に達した旨発表された。その後キッシンジャーが再び中国を訪問してニクソン訪中の打合せを行い，72年2月 21日，ニクソン一行が中国を訪問し，中国の毛沢東共産党主席，周恩来国務院総理らと会談を行い，27日共同コミュニケを発表した。そのなかで両国は，平和五原則を認め合い，両国の関係が正常化に向うことはすべての国の利益に合致すること，両国はアジア・太平洋地域で覇権を求めるべきでなく，また他のいかなる国家あるいは国家集団の覇権樹立にも反対することを声明した。またアメリカ側は，すべての中国人が中国は一つであり，台湾は中国の一部であると考えていることを「認識」し，「この立場に異議を申立てない」こと，台湾からすべての武力と軍事施設を撤去する最終目標を確認し，この地域の緊張緩和に応じて台湾におけるその武力と軍事施設を漸減することを声明した。これは，朝鮮戦争以来アメリカが一貫してとってきた中国封じ込め政策の転換を意味する。

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