上花(読み)じょうか

精選版 日本国語大辞典 「上花」の意味・読み・例文・類語

じょう‐か ジャウクヮ【上花】

〘名〙
能楽で、芸境を花にたとえていう時の最上のものをいう。特に、世阿彌が芸位を九つに分けた九位うち妙花風寵深花風閑花風をさす。上三花ともいう。上果。上類。
※拾玉得花(1428)「中三位の上花(ジャウクヮ)を、既に正花とあらはす上は」
観賞にたえるような出来のよい花。
※中尾源左衛門・浜市右衛門宛芭蕉書簡‐元祿四年(1691)九月二三日「乍去じゅけいは茂安不出内は上花之由申候」

あがり‐ばな【上花】

〘名〙 (もと遊里料理屋などの用語) 入れたての煎茶(せんちゃ)。また、一般に、茶をいう。でばな。あがり。
俳諧師(1908)〈高浜虚子〉二二「上(アガ)り花(バナ)を入れ更へてそれから三人桜餠を食べたっけ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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