上飯坂村(読み)かみいいざかむら

日本歴史地名大系 「上飯坂村」の解説

上飯坂村
かみいいざかむら

[現在地名]福島飯坂町いいざかまち

摺上すりかみ川右岸に位置し、東は伊達郡湯野ゆの村、北は同郡茂庭もにわ村、西は中野なかの村。北西大作おおさく(五六七・七メートル)から低い尾根が延び、摺上川まで丘陵をなし、村西方からあか川および川が東流し、摺上川に合流する。近世初頭は飯坂村と称したが、寛文四年(一六六四)上飯坂村と改称(福島市史)。摺上川と小川に挟まれた段丘上に町並がある。北方の古刹天王てんのう寺の裏山には承安元年(一一七一)経塚が築かれた。南西の大鳥おおとり城には古代末期佐藤基治が居城したという。伊達朝宗の四男為家の曾孫政信は字古館ふるだて湯山ゆやま(現在の飯坂警察署付近)本拠とし、飯坂氏を称したとされる(「下飯坂家譜」福島市史)。飯坂の地名も摺上川べりから同城に通じる坂道が飯坂とよばれていたのに由来すると伝える(同書)。天文二二年(一五五三)晴宗公采地下賜録によると、庄司うばと中野常陸介宗時に伊達西根だてにしね「飯坂」のうち原田山城老母から購入した別所・ほりきり在家・うしろ田が安堵されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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