下久世村(読み)しもくぜむら

日本歴史地名大系 「下久世村」の解説

下久世村
しもくぜむら

[現在地名]南区久世殿城とのしろ

中久世村の南に位置。南は東土川ひがしつちかわ村・大藪おおやぶ村、東は大藪村、西は寺戸てらど(現向日市)。村内ほぼ中央を南北西国さいごく街道が通る。

下久世の地名がみえる早い例は弘長三年(一二六三)五月二一日付長尊田地売券(東寺百合文書)である。この売券は、僧長尊が乙訓郡下久世村久世里一九坪五段、合一町の永作手を、女房播磨殿に売却したもので、本家八幡宮(東寺鎮守)と記している。南北朝以降中久世村とともに下久世庄の地。

慶長年間(一五九六―一六一五)豊国とよくに(現東山区)建立に伴い、下久世村の一部は豊国社領となった。豊国社の社僧梵舜の日記「舜旧記」慶長七年七月二六日条に「下久世村へ始代官令入部、三人庄屋宿へ振舞申付了」と、下久世村へ代官が初めて入った記事がある。九月三日条に「下久世村福(田)寺住持二十疋、三人庄屋・年寄十人斗来、樽代一貫百文上」、同一〇月八日条に「下久世村百姓之請米相調、孫七持参也」などとみえ、同一二月四日、方広寺大仏殿(現東山区)が炎上した日にも下久世村に滞留していて、「焼煙見、俄ニ輿ニテ豊国ヘ令帰寺了」と記している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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