下口(読み)したぐち

精選版 日本国語大辞典 「下口」の意味・読み・例文・類語

した‐ぐち【下口】

〘名〙 (「したくち」とも)
① 口の下側部分
② 馬の口の下側。〔日葡辞書(1603‐04)〕
裏口
※頼政集(1178‐80頃)下「知らすなよ局並びの下くちは物云ひあしき色とこそきけ」
太平記(14C後)一二「前陸奥守義家承て殿上の下(シタ)口に候(こう)し、三度弦音を鳴らして之を鎮む」

しも‐ぐち【下口】

〘名〙 うしろにある入口。裏口。
※頼政集(1178‐80頃)「知らすなよ局ならびの下くちはものいひあしき色とこそ聞け」
※高野本平家(13C前)一〇「其へん近き小屋に立ち入て日を待暮し、局の下口(シモぐち)へんにたたずんで聞けば」

さがり‐くち【下口】

〘名〙 物事勢いなどが衰えはじめる時期。特に、物の値段などが下落しはじめる時期。下がり目。
浮世草子好色一代女(1686)二「天神にさがり口買置、算用はあはぬむかしの男、みなみなかはるならひぞかし」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「下口」の意味・読み・例文・類語

しも‐ぐち【下口】

後ろにある出入り口。裏口。
つぼねの―辺にたたずんで聞けば」〈平家・一〇〉

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