下村善太郎(読み)しもむら・ぜんたろう

朝日日本歴史人物事典 「下村善太郎」の解説

下村善太郎

没年:明治26.6.4(1893)
生年:文政10.4.28(1827.5.23)
幕末明治期の生糸商・初代前橋市長。上野国前橋本町(群馬県前橋市)の小間物商重右衛門の長男。16歳で家業を継いだが,賭博に凝り身代を潰した。24歳のとき八王子に移り,糸屋源兵衛に資金を借り熨斗糸商を始め,のちに繭買いや製糸を業とした。開港後中国商人に生糸を売り,莫大な利益を得た。安政4(1857)年帰郷,生糸売り込み商仲居屋重兵衛と連携,屈指の荷主として盛んに生糸を買い付け産をなした。その一方,私財を投じて地方交通網の整備や県庁移転等にも尽力,明治25(1892)年初代前橋市長となった。<参考文献>岡部福蔵『上野人物志』中

(古庄正)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「下村善太郎」の解説

下村善太郎 しもむら-ぜんたろう

1827-1893 幕末-明治時代の実業家
文政10年4月28日生まれ。上野(こうずけ)(群馬県)前橋で家業の小間物屋をつぐ。米相場に失敗し,武蔵(むさし)八王子(東京都)で熨斗(のし)糸商をはじめ,横浜開港後,生糸輸出で財産をきずく。のち前橋へもどり,生糸商店を経営し,明治10年製糸会社昇立社を設立高崎から前橋への県庁移転につくし,25年初代前橋市長。明治26年6月4日死去。67歳。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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