下麻生役所跡(読み)しもあそうやくしよあと

日本歴史地名大系 「下麻生役所跡」の解説

下麻生役所跡
しもあそうやくしよあと

[現在地名]川辺町下麻生

尾張藩の下麻生綱場の役所。跡は残らず、どこにあったのか不明。明暦覚書によると、この役所は飛騨国、郡上ぐじよう郡、苗木なえぎ領の山より出る諸材木の六分の一の御役銀を徴収(諸材木の六分の一を取立て、商人に売り代金を受取っていた)するために置かれた。その際の両替は金一両に銀五一匁二分替え、銭はその時々の相場より少し安くとった。綱を拵える入用は役銀のうちで賄った。綱前手伝人足は下麻生・下吉田しもよしだ筏乗が勤めた。役所には国奉行の手代一人と代官の手代一人を付置き、役所家普請・万遣い道具は下麻生問屋役で、屋敷は三畝五分余とある。「濃州徇行記」によると、役所は往古は問屋伝左衛門の屋敷内にあったが、寛文四年(一六六四)より現在地に移り、常設の役所となった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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