不妊症治療剤（読み）フニンショウチリョウザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版

不妊症治療剤

製品名
《クロミフェンクエン酸塩製剤》
クロミッド（富士製薬工業）
《シクロフェニル製剤》
セキソビット（あすか製薬、武田薬品工業）

　排卵を誘発する作用がある薬で、クロミフェンクエン酸塩製剤は排卵障害による不妊症、シクロフェニル製剤は第1度無月経、無排卵性月経、稀発月経きはつげっけいの排卵誘発に使います。

　過敏症状（発疹ほっしんなどのアレルギー症状）、クロミフェンクエン酸塩製剤で卵巣過剰刺激症候群（下腹部痛、下腹部緊迫感、呼吸困難など）、シクロフェニル製剤で肝機能障害、黄疸おうだんがおこることがあります。こうした症状がおこったら、使用を中止し、医師に報告してください。

　また、卵巣腫大、不正出血、かすみ目、吐き気・嘔吐おうと、食欲不振、頭痛、ほてり、尿量増加、のどの渇き、疲れなどがおこります。こうした症状がおこったら、ただちに医師に相談してください。

①錠剤です。1日の使用回数と使用する期間、1回の使用量については医師・薬剤師の指示をきちんと守り、かってに中止したり減量・増量しないでください。また、定期的に受診し、指示された検査を受けて異常がみられたら、すぐに使用を中止します。

②あらかじめ問診の際に、持病・アレルギーなどの体質・現在使用中の薬の有無を医師に報告してください。エストロゲン依存性のガン（たとえば乳ガン、子宮内膜ガン）及びその疑いのある人、卵巣腫瘍及び多嚢胞性たのうほうせい卵巣症候群を原因としない卵巣腫大のある人、妊婦には使用できません。そのほかに、クロミフェンクエン酸塩製剤では肝障害または肝疾患がある人には使用できません。

　また子宮筋腫、子宮内膜症、乳ガンの既往歴がある人、乳ガンの家族素因がつよい人、乳房結節がある人、乳腺症または乳房X線像に異常がみられた人、肝障害・肝臓病、未治療の子宮内膜増殖症、多嚢胞性卵巣などの卵巣の病気がある人は、必ず医師に報告してください。

③この薬を使用中に妊娠したら服用を止め、医師に相談してください。

④クロミフェンクエン酸塩製剤では、かすみ目をおこすことがあるため、自動車運転や危険の伴う作業はしないでください。

出典　病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版