不次(読み)フジ

デジタル大辞泉 「不次」の意味・読み・例文・類語

ふ‐じ【不次】

順序・次第によらないこと。破格。
「忠あらん者には、―の賞をおこなはるべし」〈古活字本保元・下〉
文章が乱れていること。また、そのような文章。手紙などで、自分の文章をへりくだって、末尾に記す語。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「不次」の意味・読み・例文・類語

ふ‐じ【不次】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ふし」とも )
  2. ( 形動 ) 順序によらないこと。通例を破ること。また、そのさま。破格。
    1. [初出の実例]「凡考満応叙之人。有高行異才。〈略〉皆聴擢以不次」(出典令義解(718)選叙)
    2. 「忠あらん者には、不次の賞をおこなはるべし」(出典:保元物語(1220頃か)下)
    3. [その他の文献]〔史記‐五宗世家〕
  3. 文章が順序なくみだれていること。また、そのような文章、手紙。自分の文章をへりくだっていい、手紙の末尾などにしるす。
    1. [初出の実例]「宜啓 伏奉四月六日賜書〈略〉謹付片紙宜謹啓 不次」(出典:万葉集(8C後)五・八六四右詞文)
    2. [その他の文献]〔蘇軾‐与胡即仁脩書〕

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