日本映画。1961年(昭和36)作品。羽仁進(はにすすむ)監督。岩波映画製作所。原作は、久里浜特別少年院に収容された非行少年の手記を面接官の地主愛子(じぬしあいこ)(1907―?)がまとめた『とべない翼』。少年院に収容された浅井少年(山田幸男)は、クリーニング科に編入されるが、そのヤクザ的な組織に反抗して私刑にかけられる。喧嘩(けんか)のあげく、浅井は木工科に編入される。班長の藤川(山崎耕一郎)、副リーダーの木下(黒川靖男)は温りのある苦労人だった。出張(吉武広和)は、彼らと恐喝行脚(あんぎゃ)を続けていたというが、被害者のことを浅井に詳述する。刑期を終え、浅井は少年院を出る。非行経験のある少年を素人俳優として集め、オールロケーションで即興的に撮影するドキュメンタリー的な手法が絶賛を浴び、キネマ旬報ベスト・テン第1位になる。音楽の武満徹(たけみつとおる)は、ギターや小編成の楽器群が奏でる繊細な楽音で不良少年たちの心の震えをとらえ、毎日映画コンクール音楽賞を渋谷実(しぶやみのる)の『もず』(1961)の音楽とあわせて受賞。
[坂尻昌平]
…一般には〈強硬な意見を主張する硬派〉の対立概念として,意見や主張が軟弱な集団または個人,あるいはその属性を意味するが,個々の局面では,さまざまに対立する属性を〈硬と軟〉にわけて,隠喩的に表現するために用いられることが多い。例えば,いつの時代にも,一般市民の良識の世界からはみ出して,その顰蹙(ひんしゆく)を買うみずからの品行の悪さを誇ることにより,自己の存在証明を確かめようとするいわゆる“不良少年少女”が存在するが,彼らのライフスタイルを類型化する際に,主として〈腕力をふるい暴力行為に傾斜するもの〉を硬派と呼ぶのに対して,〈異性との交遊や華美な服装に流れるもの〉を軟派と呼び,現在では異性との交遊を求める行為を〈ナンパする〉などといい,動詞的にも用いられる。なお昭和50年代に入って以後,急増したいわゆる“暴走族”などのように硬軟両派の属性を合わせもつ不良青少年の類型もありうる。…
※「不良少年」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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