世付く(読み)ヨヅク

デジタル大辞泉 「世付く」の意味・読み・例文・類語

よ‐づ・く【世付く】

[動カ四]
世情に通じる。世慣れる。
「かく―・きて物し給ふなる、よろこび申さむ」〈宇津保・国譲中〉
男女間の情を知るようになる。色気づく。
「この君や―・いたる程におはする」〈若紫
世間並みになる。
「―・かぬ御もてなしなれば、もの恐ろしくこそあれ」〈夕顔
世間じみる。世俗に染まる。
「歯ぐろめつけねば、いと―・かず」〈堤・虫めづる姫君

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精選版 日本国語大辞典 「世付く」の意味・読み・例文・類語

よ‐づ・く【世付】

  1. 〘 自動詞 カ行四段活用 〙
  2. 世間一般と変わるところのない状態になる。世間なみになる。
    1. [初出の実例]「今年よりだに、少しよづきて改め給ふ御心みえば」(出典:源氏物語(1001‐14頃)紅葉賀)
  3. (世間普通の)結婚をする。世間なみに結婚生活を送る。
    1. [初出の実例]「いまさらになでうよづいたるめをか見む」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
  4. 男女の仲の事柄やその情を理解し、それに馴れる。
    1. [初出の実例]「かの君も、いまはよづき給にければ〈略〉いとけぢかくものなどのたまひき」(出典:宇津保物語(970‐999頃)蔵開上)
  5. 男と女の間柄に関係する。色恋に関連する。
    1. [初出の実例]「なにやかやとよづけるすぢならで、その荒れたるすのこにたたずままほしきなり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)末摘花)
  6. 俗世間の汚れに染まる。俗っぽくなる。
    1. [初出の実例]「衰へたる末の世とはいへど、なほ九重の神さびたる有様こそ、世づかず、めでたきものなれ」(出典:徒然草(1331頃)二三)

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