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世界図絵 せかいずえOrbis sensualium pictus

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世界大百科事典 第2版の解説

せかいずえ【世界図絵 Orbis sensualium pictus】

1658年に刊行された世界最初の絵入りの言語入門教科書コメニウス著。感覚的具体的事物から出発して抽象的概念の理解へ進むこと,言語を事物認識と結合して教えることという方法原理に基づいて作られている。絵に描かれた事物に文字を対応する形で示すことによって,自然と文化に関する百科全書的知識をすべての人に近づきやすいものにしようとした。これは知識人階級における文字と大衆における絵という,コミュニケーション史上異なった系譜をなす二つの媒体を教育的に統合する試みとして画期的であり,今日の視覚教材の先駆となった。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
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世界大百科事典内の世界図絵の言及

【絵本】より

…やがて印刷が始まり,衆に先がけて京都の角倉了以が本阿弥光悦とともに,いわゆる嵯峨本を刊行し(1608),その挿絵は以後の印刷本の見本になった。ヨーロッパでコメニウスが教育的図鑑《世界図絵》(1658)を出版したのにややおくれて,京都の儒者中村惕斎(てきさい)は同様の考えから《人倫訓蒙図彙(きんもうずい)》(1666)を著し,多くの追随者を生んだ。そのころから江戸では出版が盛んになり,やがて赤表紙をつけた子ども相手の5~6枚の中本や小本が現れた。…

【教科書】より

…その先駆者は17世紀のコメニウスである。彼は,はじめに感覚にないものは知性には存在しないとの前提に立ち,感覚が事物の違いをよく理解できるように訓練されれば,すべての知恵や一切の聡明な生活行動の基礎を形成できるとし,図式や絵の入った教科書《世界図絵》(1658)を編んだ。これは近隣諸国に影響をあたえ,彼の存命中にヨーロッパ12ヵ国語のほか,アラビア語,ペルシア語にも翻訳され,以後,各国で入門期の教科書はこの方式によって作成されることになった。…

【コメニウス】より

…自然界の現象を観察し,それにならう教授を行えと説くが,そこには植物の生長を自然のモデルとする自主的学習に導く原理がある一方,自然の生産過程の模倣としての機械加工技術をモデルとする視点もあり,学校を人間製作工場に,教育技術を印刷技術になぞらえることもある。世界最初の絵入教科書《世界図絵》(1658)は,視覚教材の重要性を先取りし,言語を事物と結合して学習する方法を具体化してみせた。【宮沢 康人】。…

【読み書きそろばん(読み書き算盤)】より

…また読み書きの学習効率向上のため,絵と文字とを結びつける方法がくふうされた。17世紀におけるコメニウスの《世界図絵》はその先駆であり,彼の存命中に早くも12ヵ国語に訳されるほど歓迎された。日本でもほぼ同時期に絵入りの《庭訓往来図讃》(1688)が刊行されていた。…

※「世界図絵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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