両世界評論(読み)りょうせかいひょうろん(その他表記)Revue des Deux Mondes

日本大百科全書(ニッポニカ) 「両世界評論」の意味・わかりやすい解説

両世界評論
りょうせかいひょうろん
Revue des Deux Mondes

1829年、フランスのセギュール・デュペイロンSégur-DupeyronとモーロアProsper Mauroyの創刊した総合雑誌。1832年月2回発行となり、フランソア・ビュロFrançois Buloz(1804―77)が主幹になってサント・ブーブユゴー、ビニーらのロマン派文学者の寄稿を得て一流文芸誌となった。1877年ビュロの死後子息のシャルル・ビュロ、さらにブリュンチエール、ルネ・ドゥーミックRené Doumic(1860―1937)らに引き継がれ、内容も哲学、科学、政治にまで広げられた。19世紀の激動する政治体制のもとで、一貫した政治姿勢が読者の支持を得ていた。ルナンポアンカレ、バレスらも寄稿し、20世紀初頭まではつねにフランスを代表する雑誌の一つであった。1969年以降は月1回刊行になる。

[菊池映二]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「両世界評論」の意味・わかりやすい解説

両世界評論【りょうせかいひょうろん】

フランスの文学誌。《La Revue des Deux Mondes》。1829年創刊。1831年―1877年ビュロF.Bulozが主宰し,大デュマバルザックらの作品を掲載して地歩確立。その後もブリュンティエールらの主宰下に発展。文学,芸術歴史などの,保守的でアカデミックな色彩の濃い記事や作品で高い評価を得ている。1832年より月2回刊,1969年以降は月1回刊行。

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