フランスの批評家,文学史家。1875年から自然主義攻撃の論文を《両世界評論》誌に寄稿し始め,93年にはその主筆となる。その間86年にはエコール・ノルマル・シュペリウールの教授に任命され,当時の学界・批評界に大きな影響を与えた。彼は〈批評の科学〉を構築することを意図し,C.ダーウィンの進化論を援用して《文学史におけるジャンル(様式)の進化》(1890)を唱え,作品の系譜的つながりの中にはそのジャンルに固有の法則が見いだされるとしたが,彼の法則性の理解や作品の価値判断は独断に満ちたもので,結局,その科学的客観性は古典主義擁護のための衣装にすぎなかった。晩年にはカトリシズム擁護の論陣を張った。なお代表作には,《自然主義小説》(1882),《フランス文学史に関する批評的研究》9巻(1880-1925),《19世紀フランス抒情詩の進化》2巻(1894),《フランス文学史要綱》(1897)などがある。
執筆者:細田 直孝
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...