中下条村(読み)なかしもじようむら

日本歴史地名大系 「中下条村」の解説

中下条村
なかしもじようむら

[現在地名]敷島町中下条

大下条おおしもじよう村の北、あら川流域にある。大下条村島上条しまかみじよう村とともに島三条しまさんじようとよばれた。穂坂ほさか路が村の北、島上条村との境を通る。中世の中下条郷の遺称地。松尾まつお神社があり、同社に関連する宮地みやじ松尾の地名が中世からみられる。「一蓮寺過去帳」によれば永享一〇年(一四三八)頃の一月一日に宮路の円阿弥陀仏の供養が行われている。元亀三年(一五七二)三月二六日、武田信玄宮地郷など六郷上条堰が破損したので再興するようにと命じた(「武田家印判状写」甲斐史料集成稿)。永禄四年(一五六一)の番帳の七八番に松尾の禰宜が、同八年六月吉日の甲州二宮造立帳(美和神社文書)には松尾源十郎信是の名がみえる。徳川家康は天正一〇年(一五八二)一二月九日に岡市丞に松尾のうちで四貫文を(「徳川家印判状写」譜牒余録)、同一〇年□月一三日には依田新九郎に対しても松尾のうち七貫文などの本領を安堵した(「徳川家印判状写」国立史料館蔵依田文書「感状写」)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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