中世市場都市プロヴァン(読み)ちゅうせいしじょうとしプロヴァン

世界遺産詳解 「中世市場都市プロヴァン」の解説

ちゅうせいしじょうとしプロヴァン【中世市場都市プロヴァン】

2001年に登録されたフランスの世界遺産(文化遺産)で、シャンパーニュ地方に位置する、12世紀に造られた城壁で囲まれた町。この町は紀元前1世紀頃から後4世紀頃にローマ軍によって建設されたが、隆盛したのは、11世紀末にシャンパーニュ伯の領地となり、ここで定期的に、今でいえば国際商業見本市ともいえる「シャンパーニュの大市」が開かれるようになってからである。この大市は13世紀末に最盛期を迎えるが、フランドル地方やイタリアなど多くの国々から交易のために人々が集まり、フランドルの毛織物オリエント香料など多種多様な品々が取引された。ヨーロッパの貿易商で賑わった往時を偲ばせる城壁や広場、商館など54もの建造物が中世活気を今に残すものとしてその文化的価値が評価され、世界遺産に登録された。◇英名はProvins, Town of Medieval Fairs

出典 講談社世界遺産詳解について 情報