中山池(読み)なかやまいけ

日本歴史地名大系 「中山池」の解説

中山池
なかやまいけ

[現在地名]三間町黒井地

国鉄予土線の伊予宮野下いよみやのした駅北方約一・五キロの地点にある。三間川は三間町を東西に貫流するが、川床が低く水利に恵まれなかった。そのため古くから溜池築造に努力し、現三間町に残る溜池は一〇六で、その総面積は五七町歩に及ぶ。なかでも中山池は宇和郡で最大の溜池である。面積は八町一畝歩、堤防の長さは六七間、高三間半、幅根置一四間、天幅二間半、立樋二ヵ所、長一丈五寸、伏樋二ヵ所、長一四間となっている。この用水は黒井地・戸雁とがり・宮野下・迫目はざめ務田むでんの五ヵ村に給水され、八五町歩の田地を潤していた。

明和九年(一七七二)の中山御池帳写によると、寛永四年(一六二七)から構築をはじめ三年後の同七年に竣工し、同年六月一六日から灌水している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android