丸柱保(読み)まるばしらほ

日本歴史地名大系 「丸柱保」の解説

丸柱保
まるばしらほ

現阿山町丸柱に比定される。久安五年(一一四九)に行われた問注において、伊賀国目代中原利宗・東大寺覚仁重問注記(京都大学蔵東大寺文書)の利宗の主張によれば、天仁年中(一一〇八―一〇)に覚仁の師厳慶が別符として開発した所で、永久元年(一一一三)国司源家俊が検注をし、それに基づき雑事を宛課したところ、丸柱の住民は国役を免除される代りに官物を五斗納入すると請文を提出した。しかし長承二年(一一三三)東大寺は官省符の地であると称し、国事を対捍し官物を遁避したので、同年六月五日東大寺の妨げを停止する官符が出された。しかし同様の官符が保延六年(一一四〇)・天養元年(一一四四)に出されており、国司の交替ごとに停廃を繰返している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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