丹花庵古墳(読み)たんげあんこふん

日本歴史地名大系 「丹花庵古墳」の解説

丹花庵古墳
たんげあんこふん

[現在地名]松江市古曾志町 丹花庵

佐陀さだ低地西縁に立地する方墳。国指定史跡。現状で一辺約四七メートル、高さ約三・五メートル、二段築成で埴輪葺石をもつ。墳頂部中央に凝灰質砂岩製の長持形石棺が露出している。長持形石棺は底石の上に四枚の側石を組合せ、その上に上面がふくらんだ蓋石を載せた組合せ式石棺で、古墳時代前期末から中期前半にかけて畿内を中心として各地の大型古墳によくみられ、俗に王者の石棺ともよばれる。当古墳の石棺は出雲地方唯一の典型的長持形石棺で、蓋石に刻線で模様が描かれていることでも著名

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「丹花庵古墳」の解説

たんげあんこふん【丹花庵古墳】


島根県松江市古曽志町にある古墳。古墳の丘古曽志(こそし)公園の北に広がる平野にある、古墳時代中期の方墳である。墳丘はかなり変形しているが、1辺約47m、高さ約3.5mで、2段に築成され、埴輪(はにわ)と葺石(ふきいし)がある。墳丘中央部に直接埋めた長持ち形石棺があり、現在は蓋石だけが露出している。蓋石は1枚石を刳()り抜いた蒲鉾(かまぼこ)形で、長さ2.08m、幾何学文様が彫り込まれている。この文様のある石棺は島根県内唯一のものである。1933年(昭和8)に国の史跡に指定された。古くに発掘されていたため全体像は不明だが、短甲片や鉄剣片が出土している。一畑電車朝日ヶ丘駅から徒歩約20分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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