乗ずる(読み)ジョウズル

デジタル大辞泉 「乗ずる」の意味・読み・例文・類語

じょう・ずる【乗ずる】

[動サ変][文]じょう・ず[サ変]
乗り物などに、乗る。
「一漁人あり艇に―・じて来る」〈田口日本開化小史
好機として逃さず利用する。つけこむ。つけいる。「混乱に―・じて行方をくらます」「相手弱みに―・ずる」
勢いにまかせる。おもむくままにする。「興に―・じて歌いまくる」「勝ちに―・じて攻めまくる」
掛け算をする。かける。「七に五を―・ずる」⇔除する

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「乗ずる」の意味・読み・例文・類語

じょう‐・ずる【乗】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]じょう・ず 〘 自動詞 サ行変 〙
    1. 車、馬、船などに乗る。
      1. [初出の実例]「象馬に乗じて迦毗羅国の境を出て」(出典:今昔物語集(1120頃か)一)
      2. 「一漁人あり艇に乗じて来る」(出典:日本開化小史(1877‐82)〈田口卯吉〉一)
    2. 事を行なう際に、ある状況や情勢を巧みに利用する。また、その時の情勢にまかせる。便乗する。
      1. [初出の実例]「運に乗じて敵(あた)を砕く時」(出典徒然草(1331頃)八〇)
      2. 「ふたりは興に乗(ジャウ)じ、目に見るごとにめづらしと」(出典:滑稽本東海道中膝栗毛(1802‐09)六)
      3. 「夜に乗じて行在所の御庭に入り」(出典:小学読本(1884)〈若林虎三郎〉五)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]じょう・ず 〘 他動詞 サ行変 〙 掛け算をする。掛ける。
    1. [初出の実例]「一星、太陽を距たる歳輪半径四十万と為し〈略〉円周法を倍して、四十万を以て之れに乗じて法と為せば」(出典:窮理通(1836)一)

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