九寸五分(読み)クスンゴブ

デジタル大辞泉 「九寸五分」の意味・読み・例文・類語

くすん‐ごぶ【九寸五分】

刃の部分の長さが9寸5分(約29センチ)の短刀鎧通よろいどおし。
女性護身用に帯にさした短刀。懐剣かいけん

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「九寸五分」の意味・読み・例文・類語

くすん‐ごぶ【九寸五分】

〘名〙 (尺貫法で、約二八・五センチメートルの長さ)
① 長さが九寸五分の短刀。戦場で敵を刺し、また、切腹をするときにも用いられた。鎧通(よろいどおし)
永享記(15C後か)持氏御出家の事「念仏百返計唱へて〈略〉九寸五分の刀を抜」
② 女性が帯にさしはさんだ懐剣
※雑俳・住吉おどり(1696)「ふところに・旅の女中の九寸五分」
あいくちをいう俗語
明暗(1916)〈夏目漱石〉一二六「弾丸を込めて打ち出すべき大砲を、九寸五分(クスンゴブ)の代りに、振り廻して見るやうな滑稽も」

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