九年母(読み)クネンボ

デジタル大辞泉 「九年母」の意味・読み・例文・類語

くねん‐ぼ【九年母】

ミカン科の常緑低木。葉は大形で楕円形初夏、香りの高い白い花をつけ、秋、黄橙色の甘い実を結ぶ。果皮は厚く、種子が多い。インドシナ原産香橘こうきつ 花=夏 実=冬》

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精選版 日本国語大辞典 「九年母」の意味・読み・例文・類語

くねん‐ぼ【九年母】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 「くねんぽ」とも ) ミカン科の常緑小高木。インドシナ原産で、古く中国を経て渡来し、栽培される。幹は高さ三~五メートルになり、ミカンに似てやや大きく、長さ一〇センチメートルほどの楕円形の葉を互生する。初夏、枝先に芳香のある白色の五弁花を開く。果実は径六センチメートルぐらいの球形で、秋に熟して橙色になる。表皮は厚く種子が多いが甘味があり生食される。漢名は橘で、香橙は誤用香橘(こうきつ)。くねぶ。くねんぶ。くねぼ。《 季語・秋‐冬 》

▼くねんぼの花《 季語・夏 》

  1. [初出の実例]「翌日返礼にみかん上卅・く子んほ五・丸芋十持出了」(出典:多聞院日記‐天正一八年(1590)正月一二日)
  2. 伊豆国(静岡県)加茂郡松崎港で、遊女をいう。
    1. [初出の実例]「浪華にては惣嫁といひ〈略〉松崎にくねんぼあり」(出典:滑稽本・風来六部集(1780)里のをだ巻評)

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動植物名よみかた辞典 普及版 「九年母」の解説

九年母 (クネンボ・クネブ;クネボ;クネンブ)

学名Citrus nobilis
植物。ミカン科の常緑小高木

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