デジタル大辞泉
「九想」の意味・読み・例文・類語
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く‐そう‥サウ【九想・九相】
- 〘 名詞 〙 仏語。人の屍が土灰に帰するまでに変わっていく九つのすがた。また、肉体に対する執着を除くために人の屍について行なう九つの観想。大智度論では、一に屍の膨脹するのを観想する脹想、二に屍の破壊するのを観想する壊想、三に屍が破壊して血肉が地をそめるのを観想する血塗想、四に膿爛し腐敗するのを観想する膿爛想、五に風に吹かれ太陽にさらされて屍の変色するのを観想する青想、六に鳥獣が屍をついばむのを観想する噉想、七に鳥獣に食われて筋骨頭手足がばらばらになるのを観想する散想、八に血肉がなくなり白骨だけになるのを観想する骨想、九にその白骨が火に焼かれて灰や土に帰するのを観想する焼想の九つ。きゅうそう。〔性霊集‐一〇(1079)〕
- [初出の実例]「馬嵬が原の草葉にさらされて、果は東坡が九相の見たてもうるさきに」(出典:俳諧・鶉衣(1727‐79)前)
- [その他の文献]〔大智度論‐二一〕
きゅう‐そうキウサウ【九想・九相】
- 〘 名詞 〙 人の屍(しかばね)が土灰に帰するまでに変わっていく九つのすがた。また、肉体に対する執着を除くために人の屍について行なう九つの観想。九想(くそう)。
- [初出の実例]「旦那寺の和尚様が九相(キウサウ)の詩のお談義にエヘン、たしかかやうお説きなされた」(出典:滑稽本・早変胸機関(1810))
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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