乳児ボツリヌス症(読み)ニュウジボツリヌスショウ

デジタル大辞泉 「乳児ボツリヌス症」の意味・読み・例文・類語

にゅうじ‐ボツリヌスしょう〔‐シヤウ〕【乳児ボツリヌス症】

生後1年未満の乳児に見られるボツリヌス症食品とともに芽胞状態ボツリヌス菌経口摂取し、腸管内で増殖して外毒素を産生することで発症する。便秘が数日間続いたのち、筋肉弛緩にともなう脱力、哺乳する力の低下泣き声が小さくなるなどの症状が見られる。重症化すると呼吸不全などを引き起こす。腸管定着ボツリヌス症。

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共同通信ニュース用語解説 「乳児ボツリヌス症」の解説

乳児ボツリヌス症

1歳未満の乳児がボツリヌス菌芽胞を口から摂取することで発症し、蜂蜜原因とする場合が多い。便秘や哺乳力の低下、泣き声が小さくなるといった症状が出る。死亡に至るケースはまれ。1976年に米国で初めての症例が報告され、日本では86年に発生した。食品に含まれる毒素そのもので発症する一般的なボツリヌス食中毒とは異なる。

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知恵蔵mini 「乳児ボツリヌス症」の解説

乳児ボツリヌス症

ボツリヌス菌の芽胞(がほう。耐久性の高い胞子)を経口摂取したことが原因で発症する、生後1歳未満の乳児に特有の疾病。腸管内でボツリヌス菌が発芽・増殖し、産生された毒素により便秘、全身の筋力低下、ほ乳力の低下、呼吸不全といった症状が引き起こされる。重症化すると死に至る場合もある。ボツリヌス菌の芽胞は熱に強く、家庭で完全に殺菌するのは困難であるため、予防には芽胞が含まれている可能性のあるハチミツ、コーンシロップ野菜ジュースなどの食品を避けることが重要とされる。国内では統計が残る1986年以降、30例以上の発症例が報告されており、2017年に東京都で全国初の死亡例が確認されている。

(2017-4-11)

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