六訂版 家庭医学大全科 「乳汁漏」の解説
乳汁漏
にゅうじゅうろう
Galactorrhea
(女性の病気と妊娠・出産)
どんな病気か
原因は何か
乳汁を産生するプロラクチンというホルモンの過剰分泌が原因として最も考えられます。
症状の現れ方と検査・診断
プロラクチンの分泌異常は、血液中のプロラクチン濃度を測定して診断します。プロラクチン値が標準値を超えているものを高プロラクチン血症といい、通常乳汁漏や無月経などの卵巣機能障害を伴っています。両者がみられる場合は、
経産婦ではプロラクチン分泌が正常でも両側の乳汁漏がみられることもあります。この場合は心配ありません。片側性のものならば乳腺自体に原因があることもあります。さらに、乳汁漏を気にして乳頭の圧迫を繰り返すと、それがさらにプロラクチンを分泌させる刺激となって乳汁漏が持続するということもあります。
検査の結果、血中プロラクチン値が正常範囲にあれば、乳腺局所の病変はないかどうかをよく調べます。
治療の方法
プロラクチン分泌や月経が正常で、しかも本人が耐え得る程度なら経過をみますが、不快ならばドーパミン作動薬によりプロラクチン分泌を抑えると症状は消えます。
武谷 雄二
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報