了法寺(読み)りようほうじ

日本歴史地名大系 「了法寺」の解説

了法寺
りようほうじ

[現在地名]和歌山市坂田

和田わだ川の南の小高い丘の麓に位置する。日正山大雲院と号し、俗に釈迦寺の名で知られる。天台宗で、本尊釈迦如来。もと丈六山浄土じようど寺、または坂田さかた寺とよばれ、大同年間(八〇六―八一〇)天台僧行禅によって開かれたといわれる。「日前・国懸神宮本紀大略」や「続風土記」は、文明年間(一四六九―八七)の記録に紀国造槻雄が弘仁年中(八一〇―八二四)建立したことがみえると記す。おそらく建立の檀那が紀国造槻雄で、開山が行禅であったのであろう。康和二年(一一〇〇)三月一一日の国守権中納言藤原朝臣宗輔寄進状(「続風土記」所収了法寺文書)には「坂田寺 号浄土寺」として和太わだ郷の水田一町がみえるほか、永仁三年(一二九五)三月二三日の和太郷検田取帳並検畠取帳写(紀家蔵)同日の大田郷検田取帳並検畠取帳(同家蔵)などにも坂田山浄土寺・坂田寺として寺田が載る。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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