予定保険(読み)よていほけん(英語表記)provisional insurance

日本大百科全書(ニッポニカ) 「予定保険」の意味・わかりやすい解説

予定保険
よていほけん
provisional insurance

保険の目的、保険金額、積載船舶など、保険契約の内容に関する事項が確立されないまま、概括的に定めておいて、その内容が確立し、保険事故が開始したときに保険者が当然に危険を負担する仕組みの保険契約。この保険はその性質上、貨物海上保険にもっとも多く行われている。予定保険契約には、比較的個別的な、たとえばすでに成立している売買契約もとに積み出しが予定されている貨物を対象とする個別予定保険と、将来に向かって長期に、かつ継続的に貨物保険締結の必要がある場合に、その取扱い貨物の全部、または特定航路輸送の貨物について、一定期間に積み出される貨物をもれなく付保することを約す包括予定保険とがある。

[金子卓治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「予定保険」の意味・わかりやすい解説

予定保険
よていほけん
floating policy; open cover; open policy

保険証券に記載すべき事項の一部を未確定のまま保険契約を成立させる保険の総称。海上保険,航空保険で多く利用され,とりわけ積荷保険大部分を占める。商法は貨物海上保険につき船舶未確定の予定保険のみ規定するだけであるが (828条) ,貨物海上保険普通保険約款では輸送用具未確定の場合と貨物の数量・保険金額未確定の場合について定める。未確定な事項が確定した場合,それを知った保険契約者または被保険者がただちに保険者に通知しないと通知を発すべき時以降保険契約は失効する (貨物海上保険普通保険約款8,9) 。

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