二光子吸収(読み)ニコウシキュウシュウ

化学辞典 第2版 「二光子吸収」の解説

二光子吸収
ニコウシキュウシュウ
two-photon absorption

物質一度に2個の光子吸収して,あるエネルギー準位から別の準位に遷移する現象.物質と電磁波相互作用に関して二次の項から生じる,いわゆる非線形な効果で,二光子放射および散乱(1光子を吸収,1光子を放射)をも含めて二光子過程という.レーザーによる強いコヒーレントな光を用いることによって,光波の領域でも観測されるようになった.通常の1光子の吸収とは異なる選択則に従うので,分光学的に重要な意味をもつ.[別用語参照]多光子遷移

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「二光子吸収」の意味・わかりやすい解説

二光子吸収
にこうしきゅうしゅう
two-photon absorption

普通,物質に光が吸収される場合には1つの光子が吸収され,物質のエネルギー準位はその光子のエネルギーに等しいエネルギー差をもつ上の準位に遷移する。しかし光の強度が強くて光子の密度が非常に大きくなると,2つの光子が同時に1つの遷移に結びついて吸収される確率が増してくる。これを二光子吸収という。レーザー光のように光子密度の大きい光源を照射光として用いるときに観測される。

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