二条為藤(読み)にじょう・ためふじ

朝日日本歴史人物事典 「二条為藤」の解説

二条為藤

没年:正中1.7.17(1324.8.7)
生年建治1(1275)
鎌倉時代後期の歌人。父は権大納言為世,母は賀茂氏久の娘。正二位中納言に至る。嘉元1(1303)年『嘉元百首』,元亨3(1323)年『亀山殿七百首』などに出詠,父為世の『続千載和歌集』選進に協力。その後,父の推挙によって『続後拾遺和歌集』の選者となったが,その選の半ばで没した。『増鏡』は,「父よりは少し思ふところ加へたるぬし」(父の為世より少し思慮の深い人物)である為藤の助力が,『続千載集』に趣深さをもたらしたという,当時の世評を伝える。<参考文献>井上宗雄『改定新版 中世歌壇史の研究/南北朝期』

(加藤睦)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「二条為藤」の解説

二条為藤 にじょう-ためふじ

1275-1324 鎌倉時代の公卿(くぎょう),歌人。
建治(けんじ)元年生まれ。二条為世の次男。父に和歌をまなび,「続後拾遺和歌集」の撰者となったが中途で没した。冷泉為相(れいぜい-ためすけ),飛鳥井(あすかい)雅孝らと親交があった。歌は勅撰集新後撰和歌集」,私撰集「続現葉和歌集」などに収録されている。正二位,中納言。元亨(げんこう)4年7月17日死去。50歳。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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