朝日日本歴史人物事典 「二条為藤」の解説
二条為藤
生年:建治1(1275)
鎌倉時代後期の歌人。父は権大納言為世,母は賀茂氏久の娘。正二位中納言に至る。嘉元1(1303)年『嘉元百首』,元亨3(1323)年『亀山殿七百首』などに出詠,父為世の『続千載和歌集』選進に協力。その後,父の推挙によって『続後拾遺和歌集』の選者となったが,その選の半ばで没した。『増鏡』は,「父よりは少し思ふところ加へたるぬし」(父の為世より少し思慮の深い人物)である為藤の助力が,『続千載集』に趣深さをもたらしたという,当時の世評を伝える。<参考文献>井上宗雄『改定新版 中世歌壇史の研究/南北朝期』
(加藤睦)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報