日本歴史地名大系 「二郎宮ノ前遺跡」の解説
二郎宮ノ前遺跡
にろうみやのまえいせき
古墳時代後期末の遺構には竪穴住居跡一〇棟、土壙墓・土壙・用水溝などがある。住居跡は小型のものが多く、一辺四―五メートル程度の方形住居で、造り付けの竈を備えたものが四―五棟認められた。用水溝はV字状断面を呈し、幅一メートル以上、深さ一メートル前後の規模を有し、調査地内を東西に横断していた。奈良・平安時代の遺構は掘立柱建物跡五〇棟前後、溝・素掘井戸などが広く点在している。建物群はいくつかの小グループにまとまっている。グループには建替えが繰返し行われ、長期間にわたって継続するものと、短期間で廃絶するものがあるが、いずれも建物配置に顕著な規則性がなく、大型建物や瓦葺建物は認められない。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報