デジタル大辞泉 「二階から目薬」の意味・読み・例文・類語 二階にかいから目薬めぐすり 2階にいて、階下の人に目薬を差すこと。もどかしいこと、また遠回しすぎて効果がないことのたとえ。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
ことわざを知る辞典 「二階から目薬」の解説 二階から目薬 二階にいる人が階下の人に目薬をさす。なかなか思うような結果がえられずもどかしいことのたとえ。また、やり方があまりに遠回しで効果がおぼつかないことのたとえ。 [使用例] 如何に声を大にして叫んで見ても、それが中央の政界に達しない。かと思うと、田舎新聞記者の努力は、結局「二階から目薬」のような感があっていささか心もとなく、つくづく田舎新聞記者のたよりなさに情けなくなってしまったのであった[桐生悠々*「二階から目薬」の嘆|1928] [使用例] 私ゃ気はいいんだが口が悪い。若僧のくせに、重役さんたちを平気でからかう。「なんや、この手。ちっとも効き目があらへん。二階から目ぐすりっちゅう手ですな」[升田幸三*名人に香車を引いた男|1980] [解説] 江戸前期からの古いことわざで、当時は「二階から目薬をさす(よう)」といっていました。後期には、上方のいろはかるたに「二階から目薬」の形で収録され、広く親しまれた表現です。とはいえ、今日では、目薬やこれを取り巻く状況が大きく変わったため、現代人にはややわかりにくいたとえとなっています。 江戸時代には、眼科医は庶民には縁遠い存在で、目をわずらうと薬師信仰や民間療法に頼ることが多かったようです。そのなかで、軟膏の売薬(点眼剤)が効能があると人気がありました。軟膏は紅絹もみに包まれ、蛤の貝殻に入れたもので、これに水を加えて、浸出液を竹筒などで目にさしていたのです。もちろん、すぐ傍からさすもので、実際に二階からさすことはあり得ないでしょう。「寝耳に水」と同様の誇張表現で、仮にそんなことをすれば、あまりに遠回しで効果がなく、さぞかしもどかしく感じるに違いないという気持ちです。 出典 ことわざを知る辞典ことわざを知る辞典について 情報