五十目市(読み)ごじゆうめいち

日本歴史地名大系 「五十目市」の解説

五十目市
ごじゆうめいち

五十目村では古くから市が立ち、周辺の商工業の中心として栄えた。正月三日に市神祭が行われ、「六郡祭事記」に「この祭 別に社あるにあらす、市中六角の柱一本を立て香花を備へ酒食を供して祭也」とある。菅江真澄も「ひなの遊」に市神の柱についての伝承を記している。

<資料は省略されています>

もと馬場目ばばめ村支郷まち村にあった市神を一日市ひといち(現八郎潟町)が盗み、さらに五十目村に立て今に至るというこの伝承は、天正―文禄(一五七三―九六)の頃馬場目川流域一帯に政治・経済上の変動が起こり、五十目村(当時の上町村)に中心が移ったことを反映するものであろう。

上町うわまち村は天正一九年の出羽国秋田郡知行目録写(秋田家文書)にみえ、菅江真澄は「市たつことを町とはいふ也」(秋田のかりね)というから上町村ではすでにこの頃には市が立っていたと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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