五坊寂静院(読み)ごぼうじやくじよういん

日本歴史地名大系 「五坊寂静院」の解説

五坊寂静院
ごぼうじやくじよういん

[現在地名]高野町高野山

一心院いつしんいん谷の南西にある。本尊の木造阿弥陀如来及両脇侍立像は国指定重要文化財。準別格本山。行勝の建立で、もとは一心院と称した。延応元年(一二三九)二月八日の太政官牒(五坊寂静院文書)に「爰故行勝上人、結方丈草庵於当山、(中略)遂依多年宿願、忽建立一伽藍、堂塔、僧坊、鐘楼、経蔵、成風之構接檐、土木之功並甍、即号之一心院、本堂安置不動霊像并八大童子像、一堂者安置阿弥陀三尊両界曼荼羅、以当山以下宿老之禅侶数輩」とあり、信堅院号帳にも「一心院 行勝上人建立也真俊」とみえる。院名について「続風土記」は「其池形一心の字に如似す、故に其辺なる寺を一心院と呼と古記に録せり、此地元は別所の一にして入口に総門あり、其内五坊等を総して一心院と名く」と記す。行勝は大峯山しようノ窟(現奈良県上北山村)永年修行した法華持経者で、初期高野聖であった。高野穀断聖人行勝房とよばれ(「玉葉」元暦元年一二月三日条)名声が高かった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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