五輪卒都婆(読み)ごりんそとば

精選版 日本国語大辞典 「五輪卒都婆」の意味・読み・例文・類語

ごりん‐そとば【五輪卒都婆】

〘名〙 卒塔婆の一つ。平安中期ごろ密教で創始された塔形で、石などで五つの部分につくったもの。方・円・三角・半月・団(如意珠(にょいしゅ))の五つの形をつくり、それを、それぞれ地・水・火・風・空の五輪(五大)にあて、下から積みあげた形のもの。多くはその表面に五大の種子(しゅじ)、すなわち梵字(ぼんじ)を刻む。これはもと大日法身の形相を表示したもの。鎌倉期以後は各宗でも用い、堂宇落成仏像開眼などの供養塔婆とし、また、碑ともした。五輪塔。五輪の石。五輪の石塔。
源平盛衰記(14C前)三四「五輪卒都婆を彫り立て、我身高野山に登り、奥院閉籠(とぢこも)り」

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