五道神(読み)ごどうしん(英語表記)Wǔ dào shén

改訂新版 世界大百科事典 「五道神」の意味・わかりやすい解説

五道神 (ごどうしん)
Wǔ dào shén

中国民間の神の名。正しくは〈五道大神〉という。本来仏教の五道すなわち天道・人道・餓鬼道・畜生道・地獄道を守護する神であったが,のちに中国化して,天下を巡行し人々の善悪を調べる冥界役人,さらに死者の魂を〈城隍爺(じようこうや)〉(城隍廟)のもとに護送する神へと転化した。また〈五道〉の2字に由来して〈道祖神〉とも付会されている。日本の京都の車折(くるまざき)神社は,五道神降臨の地とも伝えられる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「五道神」の意味・わかりやすい解説

五道神
ごどうしん
Wu-dao-shen

中国の道路神。行神,道神,祖神とも呼ばれる。伝説によれば,共工氏の子の脩,あるいは黄帝の子の累祖を祀るとされるが,民俗的には,古代軍行旅行に伴う危険に対する厄払い (魂振り) の儀に起源があると考えられる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android