井上江花(読み)イノウエ コウカ

20世紀日本人名事典 「井上江花」の解説

井上 江花
イノウエ コウカ

明治・大正期の新聞記者 「高岡新報」主筆



生年
明治4年3月20日(1871年)

没年
昭和2(1927)年3月11日

出生地
石川県

本名
井上 忠雄

学歴〔年〕
ニコライ神学校卒

経歴
加賀藩士の家に生まれるが、青年期に富山県高岡へ移住。上京してニコライ神学校に学んだのち牧師となったが、明治33年高岡新報社に入社して新聞記者に転じた。40年同紙主筆。富山県下の各地を訪問して書いた紀行文やルポにすぐれた才能を発揮し、黒部峡谷を旅したレポートは同紙の大きな呼び物となった。大正7年に富山県魚津を皮切り米騒動が起こると富山県下の漁村を取材し、女たちの活躍を“女一揆”として報道。また富山のみならず名古屋や大阪などの米騒動についても詳細なレポートを発表するが、過激で先鋭的な報道のため、内務大臣によって米騒動報道の禁止を命ぜられた。博交を求めず、日々著述に明け暮れたという。著書に「江花叢書」などがある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「井上江花」の解説

井上江花 いのうえ-こうか

1871-1927 明治-大正時代の新聞記者。
明治4年3月20日生まれ。東京でロシア正教会の伝教者学校にまなぶ。明治33年高岡新報社にはいり,40年主筆。ばんどり騒動(明治2年の一揆(いっき))の調査記事を連載し,黒部峡谷のレポート,米騒動の記事などをかいた。著作集に「江花叢書」。昭和2年3月11日死去。57歳。加賀(石川県)出身本名は忠雄。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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