亜ジチオン酸塩(読み)あじちおんさんえん(その他表記)dithionite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「亜ジチオン酸塩」の意味・わかりやすい解説

亜ジチオン酸塩
あじちおんさんえん
dithionite

亜ジチオン酸H2S2O4(誤ってヒドロ亜硫酸とよばれることがある)の水素金属で置換して生ずる塩。一般式MI2S2O4で表される。亜硫酸塩水溶液亜鉛またはナトリウムアマルガムで還元してつくる。無水和物は安定であるが、水溶液はあまり安定でなく、空気により亜硫酸塩に酸化され、空気がないときも亜硫酸塩とチオ硫酸塩を生じて徐々に分解する。ナトリウム塩(俗称ハイドロサルファイトという)や亜鉛塩は亜硫酸塩よりも強力な還元剤で、酸素吸収剤染色漂白など工業的に用いられる。

[守永健一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「亜ジチオン酸塩」の解説

亜ジチオン酸塩
アジチオンサンエン
dithionite

一般式M2S2O4.ハイドロサルファイト(hydrosulfite)ともいう.アルカリ金属アルカリ土類金属重金属などの塩が知られている.なお,この塩を次亜硫酸塩とよぶのは誤りである.[別用語参照]亜ジチオン酸ナトリウム

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android