交通戦争(読み)コウツウセンソウ

デジタル大辞泉 「交通戦争」の意味・読み・例文・類語

こうつう‐せんそう〔カウツウセンサウ〕【交通戦争】

交通事故による死者が増加し続け、社会問題となっている状態をたとえていう語。

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共同通信ニュース用語解説 「交通戦争」の解説

交通戦争

警察白書によると、1970年に交通事故死者数がピークとなる1万6765人に達した前後の期間の状況を指している。事故死者数が、日清戦争での日本の戦死者を上回る勢いで増加したことから、一種の「戦争状態である」として使われるようになった。交通対策の警察官の大量増員などでいったんは落ち着いたが、免許保有者が増えて88年に再び死者数が1万人を超え、「第2次交通戦争」と呼ばれた。違反の厳罰化などで減少につなげた。

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精選版 日本国語大辞典 「交通戦争」の意味・読み・例文・類語

こうつう‐せんそうカウツウセンサウ【交通戦争】

  1. 〘 名詞 〙 自動車事故による死者、負傷者の増大傾向を戦争の様相になぞらえた言葉
    1. [初出の実例]「交通戦争という言い方はいやな言葉だが」(出典:白く塗りたる墓(1970)〈高橋和巳〉三)

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世界大百科事典(旧版)内の交通戦争の言及

【交通事故】より

…交通事故が社会問題として注目されはじめたのは55年ころからで,モータリゼーションの爆発的な進行によって自動車事故は急増し,その後15年を経た70年には,事故件数は8倍にも伸び,死傷者100万人(全人口の1%)に達しようとした。これは日清戦争での日本軍の戦死傷者1万7000人をはるかに上回るもので,交通遺児を残す死亡事故,後遺症を残す頭部外傷事故などの悲惨さとともに〈交通戦争〉と呼ぶにふさわしい状態となった。このため交通事故対策は国家的な重要課題となり,70年交通安全対策基本法の制定により本格的な事故防止施策,活動が開始され,国民の交通安全思想も急速に高まっていった。…

※「交通戦争」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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