京山小円(読み)きょうやまこえん

改訂新版 世界大百科事典 「京山小円」の意味・わかりやすい解説

京山小円 (きょうやまこえん)
生没年:1876-1928(明治9-昭和3)

浪曲家。本名吉田松吉。2代目京山恭安斎門下。桃中軒雲右衛門(とうちゆうけんくもえもん),吉田奈良丸と並ぶ明治末期から大正にかけての浪曲界三巨星で,京山派を大ならしめた功績は大きい。義太夫をよくしたので,関西芸の特色である荘重な響きをもつ曲調に定評があった。レコードの数も奈良丸とともに多く,《佐倉義民伝》《赤垣源蔵》《曾我兄弟》《勧進帳》など幅広い芸域を誇った。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の京山小円の言及

【浪花節】より

…以後,春日井松之助を頭取(とうどり)とした〈東京浪花節組合〉,井上晴夢を取締役とする関西うかれ節組合〈愛国社〉とが設立され,浪花節は隆盛の一途をたどったが,とくに日露戦争後は,忠君愛国をテーマとすることで国粋主義の時流に乗って大発展をとげた。この近代浪曲確立期の推進力となったのは,桃中軒雲右衛門(とうちゆうけんくもえもん),吉田奈良丸京山小円(こえん)の三巨人だった。雲右衛門は,諸国放浪ののち,豪放雄健な節調を確立し,台本も整備し,《義士伝》をはじめとして演題も選択して,品位ある高座によって浪花節の社会的地位を向上させた。…

※「京山小円」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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