習い(読み)ナライ

デジタル大辞泉 「習い」の意味・読み・例文・類語

ならい〔ならひ〕【習い/慣らい】

しきたりとなっていること。ならわし。習慣。「土地の―で盆は旧に行う」
世間であたりまえであること。世の常。「栄枯盛衰は世の―」
ならうこと。学ぶこと。
「以て貿易不利にして帰り来らんとき狼狽せざるの―となし」〈永峰秀樹訳・暴夜物語〉
秘事などを口授されて学ぶこと。また、その秘事や、古くからの言い伝え。
「この御社の獅子の立てられやう、定めて―あることに侍らん」〈徒然・二三六〉
[類語]ならわししきたり慣行慣例常例定例通例世の常世の習い例によって例の如し病み付き習性常習習慣習癖悪癖悪習奇癖病癖性癖惰性

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「習い」の意味・読み・例文・類語

ならいならひ【習・慣・倣】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「ならう(習)」の連用形の名詞化 )
  2. なれること。しきたりとなっていること。習慣。
    1. [初出の実例]「例も、あつしうのみ聞き侍りつるならひに、うちたゆみてなむ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕霧)
  3. 世の常。世間の道理。また、あたりまえであること。きまりきっていること。
    1. [初出の実例]「朝に死に、夕に生るるならひ、ただ水の泡にぞ似たりける」(出典:方丈記(1212))
  4. 学ぶこと。学習。練習。
    1. [初出の実例]「未だ習ひ薄き人也。速に堂の外に出よ」(出典:今昔物語集(1120頃か)四)
  5. 事をなしとげる秘訣。また、秘事などを口授(くじゅ)されて学ぶこと。口伝(くでん)
    1. [初出の実例]「扨跡の、秘すべし秘すべし口伝に在り、とはいか様な事じゃ。是にも習が御ざる」(出典:虎寛本狂言・鎧(室町末‐近世初))
  6. 古くからの言い伝え。由緒。
    1. [初出の実例]「この御社の獅子の立てられやう、定めてならひあることに侍らん」(出典:徒然草(1331頃)二三六)
  7. 生活。くらしむき。
    1. [初出の実例]「なりきよげに、ならひよくて、わがまゐりたきをり参りて、あそびたきをりあそびて」(出典:たまきはる(1219))

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