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人種分類 じんしゅぶんるい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

人種分類
じんしゅぶんるい

人類を生物学的,遺伝学的特徴に基づいて分類すること。人種の分類は学者により分類基準が異なる。 18世紀に C.リンネが『自然の体系』のなかで6種に分けたが,19世紀初頭に J.ブルーメンバハは科学的方法で頭蓋を研究し,コーカサス型など5型を設定した。 19世紀から 20世紀前半には人種分類に関する試みがいくつもなされたが,共通していえるのは,毛髪の形状や色,皮膚の色,鼻の形,頭形など,体表と骨格を中心とする形態学的分類であった。これらの形質を用いる理論的根拠は特になかった。 J.ドニケル,R.ディクソン,A.ハッドンなどはこれらの組合せで人種を分類した。その際は,人種間の系統は明らかではなかったが,E.フートンは系統関係を強調し,主要人種だけでなく,さらに複合人種を設けることによって分類した。その点で E.アイクシュテットは,ヨーロッパ,ニグロ,モンゴルの三大人種系株を,それぞれ主要人種,傍人種,その他の概念で区分し,きわめて整然とした分類表を作成した。一方,C.クーン,S.ガーンらは人種はいまも形成されつつあるという立場から,適応関係を重視しながら,混血の進行中のハワイ人などをも一人種とする分類試案を発表した。以上の分類は主として形態を根拠とするものであった。 W.ボイドは遺伝形式の明白な血清学的示標をもとにして分類したが,その結果は従来の形態学的分類と大差なかった。以上のほかにも多数の試みがあるが,基本的には,白人 (コーカソイド ) ,黒人 (ニグロイド ) ,黄人 (モンゴロイド ) の三大人種に分け,さらに,これにオーストラロイドポリネシア人などを加える。さらにその下に地中海人やエスキモーなどに分ける。分類の段階については,大分類に,人種群,大人種などの用語を用い,その下には,亜人種,地区的人種,小人種などをおくが,その用い方は一定しておらず,必ずしも系統を表わすものでもない。

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