日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブルーメンバハ」の意味・わかりやすい解説
ブルーメンバハ
ぶるーめんばは
Johann Friedrich Blumenbach
(1752―1840)
ドイツの解剖学者。自然人類学の父として知られる。イエナで医学を学んだのち、1778年解剖学の教授となり、60年近くその地位にあって活躍した。主として人種間の形態の差について広い研究を行い、自然人類学の基礎をつくった。彼の最大の功績の一つは、比較解剖学の手法を人類に応用したことで、とくに頭骨の詳しい比較研究を行った。その結果、世界の人種をコーカシアン(白人)、モンゴリアン(黄色人)、マラヤン(褐色人)、エチオピアン(黒人)、アメリカ・インディアン(赤色人)に五大別した。これは現在の人種分類の基礎になっている。また人類一元論を唱え、霊長類を二手類(人類)と四手類(人類以外のサル)に分けた。この分類は現在は賛成されていないが、二手類、四手類という用語は便利なので、いまでも使われることがある。
[埴原和郎 2018年11月19日]