精選版 日本国語大辞典 「人馬」の意味・読み・例文・類語 ひと‐うま【人馬】 [ 1 ] 〘 名詞 〙① 四つんばいになったり、立って上体を前にかがめたりして馬のかっこうをした人。上に乗ったり、手をついてとび越したりする。[初出の実例]「子供のやうな生徒が六七人、人馬(ヒトウマ)か何かして遊んでゐたが」(出典:毛利先生(1919)〈芥川龍之介〉)② 一人が前に立ち、二人がその後に左右に並び、後ろの二人は内側の手をそれぞれ前の一人の肩にかけ、外側の手をそれぞれ前の一人の手とつないで、三人で作る馬。乗り手は肩にかけた二本の腕を鞍としてまたがる。〔遊戯大事典(1957)〕③ 奇術の一種。籠抜けなどをするものをいうか。[初出の実例]「近来人馬と申、様々曲いたし人を集候付」(出典:御触書寛保集成‐四五・元文五年(1740)七月)[ 2 ] 狂言。各流。大名が新しく人を雇うことになり、命を受けた太郎冠者は坂東方の男を連れてもどる。男は人を馬にすることを得意芸とするというので試みるが、うまくゆかず、大名は怒って二人を追い込む。和泉流では「人を馬」ともいう。 じん‐ば【人馬】 〘 名詞 〙① 人と馬。また、人の乗る馬。にんば。「人馬一体」[初出の実例]「人馬同レ時応レ別レ主、望於二華厩一一嘶レ春」(出典:田氏家集(892頃)中・元慶七年大相賜文馬有感自題)[その他の文献]〔戦国策‐趙策上・襄子〕② 架空の動物の名。上半身は人間で、下半身は馬の形をしたもの。 にん‐ば【人馬】 〘 名詞 〙 人と馬。また、人の乗る馬。じんば。[初出の実例]「源氏は児嶋にうちあがって、人馬(ニンバ)〈高良本ルビ〉のいきをぞやすめける」(出典:平家物語(13C前)一〇) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例