今戸(読み)いまど

精選版 日本国語大辞典 「今戸」の意味・読み・例文・類語

いまど【今戸】

[1] 東京都台東区の北東部、隅田川に面する地名。かつては隅田川の船着場で、江戸名所の一つかわらけ、今戸人形など今戸焼を産した。
狂歌・江戸名所百人一首(18C中)「世の人もみちこそしらね五百崎(いほさき)を今戸はしばでしかときかねば」
[2] 〘名〙 「いまどやき(今戸焼)」の略。
※雑俳・柳多留‐二〇(1785)「村の娵今戸のでくでひなまつり」

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デジタル大辞泉 「今戸」の意味・読み・例文・類語

いまど【今戸】

東京都台東区北東部の地名。隅田川西岸船着き場として栄え、今戸焼今戸人形発祥地

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「今戸」の意味・わかりやすい解説

今戸
いまど

東京都台東区(たいとうく)北東、隅田(すみだ)川右岸の一地区。『江戸名所図会(ずえ)』にもある今戸神社がある。隅田川の水を引き込んだ堀割山谷(さんや)堀を隔てて待乳山聖天(まつちやましょうでん)(本竜院)があり、山谷堀に架けられた橋が今戸橋である。川柳(せんりゅう)に詠まれた「今戸橋上より下を人通る」は、吉原(よしわら)通いの船でにぎわったことを詠んだものである。江戸名物の一つ今戸焼(人形、瓦(かわら)など)の産地でもある。

[菊池万雄]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「今戸」の意味・わかりやすい解説

今戸
いまど

東京都台東区北東部の地区。隅田川の西岸に位置し,山谷堀が南端にあって浅草地区に接する。隅田川河畔に 1931年隅田公園ができ,台東体育館もその中にある。江戸名物の今戸焼や今戸人形の発祥地。

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